イグノーベル賞

今年のイグノーベル賞に「股のぞき」の研究が選ばれた。

この研究では、股のぞきで観たときは通常の直立での視野よりも、ものが小さく見え、奥行きも平らになるなどを確認し、前かがみの状態でも同じような効果があることを突き止めたものだ。

ちなみに逆さメガネをかけてみた場合は、このような錯視は起こらない模様。

人間が”観ている”ものは、光学的な情報だけではなく、脳内で様々な補正を受けて意識の上に登ってくるものだ。
今回の研究では、逆さになるという簡単な方法で、人の認知に環境(この場合は重力?)が幾らかの影響を与えている事をシンプルに証明しているように思う。

そもそも人間は何を”観ている”のか。

絵を描くとき意識するのは、「物自体」と、「概念」。このバランスだ。
「物自体」は、いうなれば光学的情報で受け取っているもの等。
一方「概念」は経験等により光学的な情報を”もの”と認識するためのルールみたいなものだ。

逆さに見た場合、この概念から外れるため、”もの”を認識しづらくなる。
人の顔を逆さに描くのが困難なのは概念が邪魔をするからだろう。

一方「物自体を見る」のはどう言う事だろう。
目が受け取る情報は『明るさ』と『色』だ。
この二つから『輪郭(線)』を導き出し、その『線』と『線』の関係性を導き出す。

ざっと、そんな感じに考えてる。

その工程で、色々なものから情報を集め、脳内で補正をかけ、今実際に見ている映像を我々の脳は作り上げているのだろう。

その色々なものの中に重力がかかわっているという事を、今回の研究は示唆しているのかもしれない。


イグノーベル賞といえども、なかなか侮れない研究ですね。

パークステーション江戸 忍者WARS

NHKのロケ施設である、つくばの「ワープステーション江戸」で『忍者WARS』というイベントが行われた。

あまり商業用で利用しているわけだは無い施設なので、アクセスはかなり不便。
車でしか行けないのに車での来場で禁止(後にOKになった)、つくばエクスプレスの「みらい平駅」からのシャトルバスが唯一の移動手段となる。

施設の雰囲気は”お役所”のようで、建物内は飾りっ気もなく、BGMもない。
シーンとした施設で、職員のそっけない接客が行われるだけなのだ。
レジに荷物が置いてあったりするし。

今回のイベントは運営もひどいもので、メインステージみたいなものはなく、あっちこっちで小さなステージが組んであり、そこかしこでワチャワチャ歌っている感じ。設備も客も分散してる。

また、スタッフ間の情報共有が出来ていなく、雨による公演時間や場所の変更などがスタッフでも把握していないありさま(勿論客や関係者への案内も無し)。
責任者は現場に来ない(連絡も取れない)。

我々プロレスの方も、当日まで何をするのかを聞かされず、当日になって綱引きがある事や、対戦カードなどを聞くことになる(これも直前で変更になったりする)。

リングの設営位置もパンフと違って一番奥にあり、客が来ない事を理由に2日目の朝(雨の中)手前の方に移動(解体して再設営)する事になる。
当然のように代表は来ないし、所属も遅刻してくる。

雨の中、客も来ないという事で2部予定を1部だけに変更するも、客に案内をせず、2部を目当てに来た人が何も見れずに帰る事態まで起こる。

試合も音響設備もなくマイクも無し。
試合時間になると、歩いて5分くらいかかる控室から会場までを何の合図もないままリングに向かって行くわけだが、リング上ではまだ別の選手がロープ調整などをしている始末。
そそくさと門の陰に隠れて、かすれるような拡声器の声と、スタッフのものと思われる数名の手拍子の中再びリングに向かうのである。

3日目にようやく表れた代表も「段取りが見えないんですけど。。」「これはどうすればいいですか?」など、興行中客前でやる気もなくマイクでつぶやく有様。

まあ、それでも選手や関係者はギャラさえまともに払ってもらえれば良いのだが。。それも叶わず。

そもそもこのイベント、事前の話では「3日間で2万人来る」という話だったそうな。
なので、出店の飲食店は、最低でも1000食分の材料を買い込んでいたそうだ。
勿論、本家のお店を閉めて、こちらにやってきている。

ひどい話だ。

これだけ大コケしたイベントだが、運営責任者曰く「成功」らしい。

そして何か月かおきに定期的にこういうイベントをやっていくつもりだそうだ。


そんなこんなで大変だった3日間。
一緒に頑張った選手やスタッフたちは、まさに”戦友”といった感じだろう。

良い経験になったし、話のネタにはなる。



そして、これは個人的なことになるけど、この大会をもって、プロレスラー三尾祥久は花鳥風月を退団の上、プロレス活動を引退することにします。


思えば3.11の震災を切っ掛けに、人生思い残すことがないように仕様と考えて、真っ先に出てきたのが”同期と試合がしたい”という思いでした。
そこからアミーゴ鈴木選手、フェリスト選手、チャンゴ選手との試合が出来て、亡くなった同期の子のレスリング部の先輩である佐々木義人選手とも試合が出来ました。

後、残すはSUGI選手だけ。でも、無理だよね^^;

まあ、楽しかったです。悔いも未練もないので、気持ち良く辞められます。

お世話になった方々、本当にありがとうございました。

LOUVRE No.9 行ってきた


『No.9』とは9番目の芸術って事みたい。

建築、彫刻、絵画、音楽、文学、舞踏、演劇、映画、そして9番目に漫画。

そんな漫画を芸術という視点で、ルーブルが企画したのが今回の展覧会なのだそうだ。

さて、美術館へ着くと何やら長ーーーい行列が。
どうやら「ジブリ大博覧会」の入場待ちで、最終日の今日は140分待ちとのこと。。。

やっぱりジブリは人気やね。
一瞬観ようかとも思ったけど、2時間以上待つのは流石に性に合わないのでやめておく。



日本の漫画と海外のバンドデシネの違いについて解説があったけど、『漫画』は安価でエンターテイメントを重視しているのに対し、バンドデシネは高価で芸術作品という位置付けな部分があるそうな。

BDは基本的にはアシスタントなどを雇わず、作家一人で描いているし、一コマ一コマの描き込みも凄いから「ストーリー付きの画集」みたいな感じなのかな。

まあ、どっちも好きなんだけどね。



同じ”漫画”という文化だけど、考え方は色々、それぞれがしっかり輝きを放っているので、改めて漫画の素晴らしさを感じた。

良いもの見れた。